ジョージ・コックス チャッカブーツを自分でオールソール
ゆうさんです。
ついに素人が手を出してはいけないであろう事をやってしまいました。
こちらはジョージ・コックスのチャッカブーツです。
写真を撮り忘れて、すでに皮スキにてミッドソールごと剥がしてしまってます。
ジョージ・コックスといえばロッカー御用達のイメージですが、このブーツはロックっぽいデザインではなく、モカシン風のデザインでソールは生ゴムのクレープソールです。
10年位前にヤフオクで中古を5千円くらいで買いました。
生ゴム製のクレープソールの靴をお持ちの方ならお解りだと思いますが、クレープソールって段々ベタベタして劣化してくるんですよね。
この靴も経年劣化でソールが溶けてベタベタになってしまい、しばらく履いていませんでした。
修理屋さんでオールソールしようかとも思っていたんですが、なんせ5千円の中古靴です。
ミッドソールごと逝ってしまっているので、オールソール料金は14000~15000円位になるかもしれません。
「そりゃ~バカらしいわなぁ。失敗したら靴には成仏してもらうしかないな」
ということで自分でオールソールにチャレンジです。
ソールを縫い付けている糸を「皮スキ」で切りながらソールを剥がすとフェルトの中物に木製のシャンクが付いておりました。
正直自分には、この作りが良いのか悪いのかは解りません…。
そして今回のオールソールの為に用意したのがこちら。
ゴム製のミッドソールとビブラム風の安いタンクソール。
靴修理の定番「ダイヤボンド」とレザークラフト用の縫い針、蝋引きの太い糸。
全部ネットで購入出来ます。プロ用の資材が…いい時代です。
まずはミッドソールを大体の大きさにカットします
ミッドソールは2mm位の厚さなのでカッターやハサミで簡単に切れます。
カットしたミッドソールを蝋引きした糸で縫い付けていきます。
ちなみに縫い付ける際ズレないようにダイヤボンドでウェルトに接着しちゃってます。
縫う前に「千枚通し」でウェルトの穴に合わせてミッドソールに穴を開けました。
写真を撮るのをとにかく忘れております。
糸をかなりの力で引っ張るので手袋をしないと手が切れてしまいます。
蝋引き糸はベタベタです。
レザークラフトでいうところの「平縫い」で縫っていきます。
はたしてこれで良いのか?
なんとかそれっぽく(じゃいかんだろ!)縫えました。
裏の縫い目が汚いですが、本底を貼ってしまえば判らないからいいや。
ミッドソールのはみ出した部分はカッターで整えました。
いよいよミッドソールに本底を貼っていくのですが、その前に本底のタンクソールをノコギリやらカッターやらで大まかに切っていきます。
固いので大変。
接着面にヤスリ掛けをします。
表面を荒らす事で接着剤の食いつきが良くなります。
「アンカー効果」というものらしいです。
「ダイヤボンド」を古歯ブラシで接着面両面に擦り込むように塗っていきます。
ダイヤボンドはプロが使うゴム系接着剤で、ちょっとした靴底の剥がれ、自転車のパンク修理、その他もろもろ、強力に接着できるので一家に1つあると良いかもしれません。
この後すぐに貼り合わせてはいけないのです。
10分から30分間、ボンドの表面がベタつかなくなるまで待ちます。
「オープンタイム」といってゴム系接着剤の性能を引き出す為に必要な待ち時間。
これを守らないと強い接着力が得られず失敗します。
貼り合わせたらハンマーなどで叩き圧着します。
叩いてる画像はなし。
クリップなど総動員で固定し、一日待ちます。
十分な接着強度がでたのを確認したら、はみ出している本底を地道にカッターで切っていきます。
固い…。
これもグラインダーなど持ち合わせていない素人にはつらい作業。
カッターで荒く整えた後はヤスリで仕上げていきます。
先ずは、金ヤスリで。
金ヤスリで全体を平らにしたら、紙ヤスリ(80番)で整えます。
ひたすらこすり続けた結果。
許容範囲だろっ!と妥協して終了です。
今回のオールソールにかかった費用は資材で5000円ほどでした。
仕上がりはプロに頼んだ場合と比べて70%位の出来にはなったのではないかと思っております。
ドレスシューズでは無いので素人でもやる気があれば出来ましたが、労力がかなりいる作業でしたね。
靴がどうやって出来ているのかがある程度理解できたのが収穫です。
暇で、もの好きな人間ならやってみても面白いかも知れません。
他に何足かオールソールの時期が来ているブーツがあるんだよなぁ…。